看護ユニフォーム革命その白衣に疑問を持て価格×衛生×顧客視点から「リース白衣を卒業」する理由とは
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思い出の原宿ストーリー(1)

メディカルな女たち

僕が原宿の街に通うようになったのは、1967年か68年、小学校の高学年の頃だった。と書くと〝不良少年〟と思われるかもしれないけれど、その目的は塾通い。中学受験の進学教室の会場が原宿にあったのだ。東郷神社の並びの、いま原宿警察署になってるところに社会事業大学というのがあって、教室を会場に使っていたのだ。

当時は竹下通りにまだ民家がぽつぽつと並んでいて、表参道もようやくシャレたブティック喫茶店が増えはじめた頃だった。コロンバンや千疋屋のパーラーは、その当時からあったけれど、ラフォーレのところは確か教会だった。キディーランドももう既に立っていて、輸入物の珍しいオモチャを眺めるのが愉しかった。

千疋屋と原宿駅の間あたりにも輸入物のプラモデル屋があって、その隣りがフクオスタンプという切手屋だった。そう、当時僕は切手集めに熱中していたので、塾帰りにまず立ち寄りするのがこの店だった。

原宿らしいモダンなガラス張りの玄関をくぐると、ショーケースに魅力的な切手が陳列されている。「月に雁」や「見返り美人」・・・数千円の値を付けた〝お宝切手〟を指をくわえて眺め、ケースの上に置かれたカゴをあさり始める。このカゴのなかには、記念切手の初日印を押した「初日カバー」と呼ばれる封書やハガキ、記念乗車券にタバコのパッケージ・・・といった切手に付随するコレクターグッズがごちゃまんと詰めこまれているのだ。お小遣いで買える程度の安値のものも多いので、このカゴの物色がなかなか愉しい。まわりはほとんど中年、老年の客だったので、半ズボン姿の少年マニアはちょっと浮き上がってはいたけれど。

この原宿の切手屋さんで集めた戦利品は、いまもストックブックに大切に保存されている。